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長野県中野市は、えのきの生産量国内1位を誇ります。果樹園を営む農家さんたちが冬の間に何かやれないかと思い、始めたのがきっかけだとか。徐々に設備を整え、試行錯誤しながら作られてきた中野市のえのき。菌床栽培によって作られたえのきは、乳白色をしていて、歯応えがあり、風味豊か。今回は、JA中野市キノコ農家を代表して、長島雄一さんにえのき栽培の工程やおいしい調理法などをお聞きしてきました!

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果樹を作りながら冬場はキノコを栽培していた長野の農家さん。
いつしかそれを本業とするキノコ農家が増えていった

羽田:中野市はえのきの生産量が1番なんですよね。やっぱりキノコ作りに適した土地なんでしょうか?

長島:そうですね、やっぱり水に恵まれていますし、夏は暑く、冬は寒いので。キノコを育てるのに温度管理は重要なのですが、冬場はそこまでクーラーを回さなくてもいいんですよね。それでも基本的には、クーラーを回したままなのですが、クーラーが故障すると、冬場でも翌朝20度くらいまで上がっていたりします(笑)

羽田:上がっちゃうんですか!

長島:キノコ自身の熱で、部屋の温度が上がっていることがあるんですよ。クーラーが壊れたりもするし、警報装置があるから、故障すると私のところに通報がきます

羽田:24時間管理しているんですね! 土地としても育てやすいと思うんですが、中野市がえのきの生産量が1番になった大元の理由ってありますか?

長島:そうですね、この辺りは主にりんごやぶどうといった果樹を作るのがメインなんです。それで、冬場は何もやることがなくなったときに、土蔵でえのきを作り始めたのが始まり。徐々に売れるようになってきたので、だんだん規模を大きくしていって、土蔵から小屋、小屋から工場になっていきました。うちは、父親が脱サラして作り始めました

羽田:お父様、脱サラされたんですか!

長島:農協職員だったので、農協をやめてキノコ農家に。うちはもともと祖父がりんごの果樹園をやっていたんですけど、納屋を壊して、小屋を建ててキノコ栽培のすべての工程をやるようになりました

羽田:えのき作りの工程ってどういうものなんですか?

長島:まず、瓶の殺菌作業があります。殺菌釜で殺菌して、瓶の中にタネ菌を植え付ける。それから、培養といって瓶の中に菌を回すっていう作業。培養のあとは菌かきをして、えのきの発芽を促します。その作業を全部うちでやっていたんです。そうすると機械を全部買わないといけないので、負担も大きかったんですよね。特に最初の培養管理は雑菌との戦い。雑菌が入ると全部廃棄することになるので、その工程を培養センターというところに委託できるようになったのが大きかったです。その培養センターを中野市で何箇所か作ったので、だんだん増えていったんじゃないかと思います

羽田:そもそも個人個人のお家でやっていたことが、共同でやるようになったんですね

長島:共同でやれて、各自で出荷だけになったので広がったんじゃないかな

空気や水分量、温度を調整することで、えのき独特のいい食感が生み出される

羽田:このえのきを育てる1番のご苦労はどこですか?

長島:工場的に考えると、絶対おんなじサイクルで、1日の収穫量を必ずクリアしていくというのが一番難しいこと。商品的に考えちゃうと衛生面。髪の毛だったり黒いのが入るとよく目立つんです。それでお客さんの元に届くと異物になります

羽田:えのきは白いですもんね

長島:野菜の中で、個別包装されているのって、キノコともやし。両方とも工場生産なんで、異物には厳しいんです。だからさっき皆さんにも被っていただいたように帽子、衛生服を着て、異物が入らないように作るのは大変ですね。そして、農作物として考えたとき、食感を求めることが重要になってきます。そのため、空気を取り入れる量やキノコの中に入っている水分を調整するために加湿器のパーセンテージを考えたり、当然温度を1日のうちで変えたりもします。食感を保つことを考えるのがキノコを作る際に難しいところだと思います

えのきに含まれる高い栄養素を取り入れるのには、凍らせてから煮るのが効果的

羽田:キノコって、栄養素がすごく高いイメージがあるんですけど、えのきはどういう栄養素があるんですか?

長島:注目していただきたいのは、GABAですね。去年やっとお墨付きがもらえたので、打ち出しています

羽田:GABAといえば、リラックス効果?

長島:はい、ストレスを和らげたり、リラックス効果ですね

羽田:睡眠の質を高めてくれたりしますよね

長島:そうですね。これはどこに出荷してるかな、九州とか東京とかかな。自分が作ったキノコが売られているところって実は見たことがないんですよ。でも一度だけ千葉のスーパーで見たことがあって、ちょっと感動しましたね。本当に売ってるんだっていう

羽田:感動しますね〜。あと、えのき氷を作られている社長さんに聞いたときに、食物繊維がそのまま摂れて痩せるって聞いたんです

長島:そうですね、えのきにはいろんな成分が入っているんですけど、そのまま食べても細胞壁が壊せなくて栄養素を吸収できないんです。そこで、凍らすことによって、細胞壁を破壊する要素を作る。体内に吸収しやすくするためにえのき氷を考案したのだと思います

羽田:便通が良くなるから、中野市民の人は便秘の人があんまりいないって聞きました!

長島:このまま食べると栄養素を100%吸収するのは無理なので、細胞壁を壊して取りやすくする。でもその際に、ただ凍らせただけではダメで、1度煮ることが大事です。家庭では冷凍庫に入れておいて、使うときにカレーだったり汁物のなかにボーンと入れればいいから食べやすいですよね

羽田:ご飯を炊くときに一緒に入れるのもいいって聞きます

長島:あ、いいです!凍ったのをレンジでチンして料理に使っても同じ効果がある。煮るのが面倒なら、微塵切りにして、冷凍庫で凍らせて、パキッと割って鍋に入れても同じ効果があるんじゃないかな

羽田:え〜じゃあこのまま使えなかったら冷凍しちゃえばいいんですね! おすすめのおいしい食べ方ってありますか?

長島:天ぷらですね。ざく切りにして、かき揚げみたいにして食べるっていうのがおすすめです。えのきだけのかき揚げです

羽田:いま、キノコを使って体に優しいスープを作ろうかなって試作中なんですよね

長島:いいですね。みなさん、えのきといえばイコール鍋っていうイメージしかないと思うんです。夏場でも食べていただける商品だと思うので、スープとか味噌汁とかいいですね。えのきは年間通して常にスーパーに並ぶものだから、常備野菜みたいにしてもらえるとうれしいです。安くて簡単に手に入る、そして栄養価が高いというのが強みかなと。あとは冷凍餃子の具をキノコだけで作ったり

羽田:いいじゃないですか、それ! めちゃくちゃヘルシーですよね。えのき餃子、流行るんじゃないですか

長島:肉の代わりにキノコが入っていたら、だいぶヘルシーですよね

羽田:これから色々アイデアを練りたいですね!

*羽田甚商店では、中野市の「えのき」を使用した商品を現在開発中です!完成後に販売いたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください!