中野市豊田農産物加工施設
地元の農家のお母さんたちがアイデアを出して作った商品は、どれもみな、ぬくもりを感じる
羽田:わ〜!いろんなものがあって、宴会みたいですね(笑)
西野:こんなものしか出てこないけど(笑)。アップルパイ、ゆべし、干し柿、あとはうちで漬けた漬物。最近は若い人は漬物を食べなくなってきていますよね
羽田:どれも、とってもおいしそうですね。
西野:このアップルパイは、オーブンで焼くとパリパリとして一層おいしいんですよ。私たちは、りんご畑に出るとき、冷凍で持っていくんです。そうすると10時くらいにちょうど溶けてね、そのままパクパク食べられる
羽田:焼き立てってこんなにおいしいんですね
西野:おいしいですよね。小さめのサイズだから切らずにこのまま食べられます。ここは平成10年に始めたのですが、アップルパイとおやきはロングセラー商品なんです
お盆のときのお供えものとして作られていたのが、おやきの始まり
羽田:おやきといえば長野県ってイメージがありますけど、そもそもおやきってどういう歴史があるんでしょう?
西野:お盆のときにお供えするものだったんですよ。この辺りでは小麦を作っていたので、小麦粉とふくらし粉、今でいうベーキングパウダー、水で、生地を作ってね
丸山:そう、8月14日の朝にちょっと早起きして作るんです。仏様にお供えするために。ふくらし粉がない時代だったから、重曹を使って少し寝かして作るから時間がかかったんですよね
羽田:中身は何を入れるんですか?
丸山:ナスかな。丸ナスをそのまま1個入れたりとか
羽田:お盆だからですかね。それで蒸して作るんですね。主食にもなるんですか?
西野:もちろん主食にもなりますよ。中の餡を作るのが面倒なときは、何も入れないでそのまま蒸しパンみたいに食べたりね
羽田:伝統的なものなのに、今は若い人たちがあんまり作らなくなったって聞いて残念に思っていたんです
西野:そうですね、特産品だし、私たちは大事にしていきたいと思っています
羽田:そこで中野市の婦人の会の皆さんが残そうと頑張っていらっしゃるんですね。市販されている肉まんとかあんまんとかよりはるかに体にいいと思うし、なにせ女神のエネルギーが入っていますし!
一同:あはは
丸山:女神だって(笑)。ありがとうございます。
羽田:おふくろの味って飢えている人たくさんいると思いますよ。やっぱり地元のお母さんたちが作ったっていうのは、大きな魅力ですよね
地元・中野市で採れる食材をふんだんに使ったおやき。
りんごのシロップを練りこんだ、もちもち食感の皮がおいしさのヒミツ
羽田:今回は野沢菜、きのこ、じゃがバタのおやきを販売させていただきたいなと思っていて
西野:野沢菜はおやきのはじまりですね。各家庭で「ふる漬け」というのを春先までに漬けるんですけど、それを細かく刻んで、おやきの餡にしていたんです。キノコは中野市の名産だから。じゃがバタはスキー客用に割と最近作ったんですが、スキーに来る若者たちの間で人気です
羽田:野沢菜って、グリーンのイメージがありましたけど、こういう色なんですね
西野:採ったばかりだとグリーンだけど、漬け込んじゃうと変色しますね。漬物としたら自然の色なのかな。自家製だとね
羽田:そっか。野沢菜おいしいな
西野:野沢菜は一番人気ですね
羽田:おやきを作る上でこだわっているところはなんですか?
西野:りんごのシロップを皮に練り込んでいて、もちもち食感にしているのが一番の持ち味ですね。地元で採れる野沢菜や、今は時期じゃないけど、つみ菜という野沢菜の友達みたいなものを使ったりしています。夏になったら、丸なす
羽田:丸なす、他では見ないですもんね
西野:北信の特産品だから、丸なすを使うのも特徴ですね
羽田:どうやって食べるのがおすすめですか?
西野:蒸し器で15分くらい蒸してもらうと、本当にふっくらとなっておいしいですね。それが手間なら、自然解凍してレンジでチンするとラクでおいしいかなと思います
羽田:主食にもおやつにもなりますね。今、お店がしまっていたりするし、災害がいつ起きてもおかしくないから、自分だったら備蓄食料にもいいなって思いました。備蓄品としてカセットコンロを持っている人もいるだろうから、そういうのであたためたら食べられますよね
西野:そうですね。ちょっと焼いたりして
羽田:そうですよね。あと現代人って忙しいから、ご飯を作ったり食べることにもあんまり時間かけていられない人にとってもいいですよね
西野:そういうのもいいと思います
羽田:そんな要素がおやきにはあるのかな。でも、大事なことですよね、こういう伝統的なものってどんどん廃れてしまうから
西野:本当に、これからも守っていきたいですね
羽田:はい。中野市の婦人部のみなさまのこと、応援しています!