千鳥屋糸島別荘

福岡県・糸島市の豊かな土壌で育った完全無農薬・有機栽培の甘夏やレモンを使い、季節ごとにマーマレードやジャムを手作りされている「千鳥屋糸島別荘」。羽田美智子の20年来の友人のお母様である原田万紗子さんが作る「糸島ジュエル」は、彼女のおもてなしの心と優しさがたっぷり込められた、美しい宝石のように輝いています。

ジャムが苦手だった羽田美智子が感動した、原田家の”おもてなし”ジャム

羽田 正直に言うと、私、ジャム類にあまり興味がなかったんです。”砂糖の塊”って感じがして、体に良くないイメージがあって。でも、おばちゃまが作ったマーマレードを友人から送ってもらって、一口、口に含んだ時に衝撃を受けたんです。「ええええ!これがマーマレードなの!?」って!

原田 ありがとうございます。最初は、お土産用だったんですよ。ここにわざわざ訪ねて来てくださる方に、何かお渡し出来るものがないかなって。せっかくだから、ここで採れる甘夏やレモンでマーマレードでも作ってみようかと思って、始めたのがきっかけなんです。

羽田 おもてなしの気持ちから始まったマーマレードなんですね。おばちゃまらしい!私と原田家とは20年以上前からのお付き合いで。20代の頃は家も近くて、よくお宅にお邪魔させていただいてましたよね。いつも来客の多いお家だったから、玄関に上がると靴が沢山あって。伺うのがすごく楽しいお家だったなぁ。しょっちゅうご飯をご馳走になりましたよね。

原田 そうでしたね。私も主人もおもてなしをするのが大好きだから、お客様が多くて。

羽田 いつ伺っても、よくしていただいて。そんな、おばちゃまの優しさが、このマーマレード作りに繋がって行ったんですね。

原田 知り合いにお配りしているうちに、特に若い世代の方たちが「無農薬、ノーワックスなら食べてみたい!」って言ってくださって。気がついたら、地元の物産店で販売するようになっていたんです。

羽田 元々ここ(糸島)のお家は、原田家の別荘だったんですよね。おばちゃま達が東京から引越しされたのは、2018年でしたっけ。マーマレードは以前から作られていたんですか?

原田 マーマレードやジャムを作り始めたのはここに住み始めてからだから、2018年の5月くらいですね。それまでは、ほとんどジャムやお菓子は作ったことがなくて。

羽田 ええ!最近まで作ったことがなかったんですか!?

原田 全然!むしろ苦手だったんですよ!

羽田 えぇ~!本当に!?信じられない!

原田 以前は東京で仕事が忙しかったのもあるけど、料理はしても、ゆっくり家でお菓子作りやジャム作りをすることなんてなかったから、マーマレードの作り方も娘たちに教わったり、インターネットで調べながら、少しずつ研究してコツを掴んでいった感じで。最初のうちは皮の苦味が強すぎたりしたので、お砂糖の分量とかを自分なりに改良していったんですよ。

羽田 まさか、そんなことをするようになるなんて、夢にも思わなかったんじゃないですか?

原田 そうなんです!皆がびっくりしてますよ。元々半年くらいだけ糸島にいるつもりだったのが、まさかそのまま移住するなんて。そこからジャムを作り始めたら、かえって忙しくなっちゃって(笑)。

羽田 すごい!人生って何があるかわからないですね。おばちゃま、糸島に来てからとても若々しくなりましたよね。

原田 裏山に登るようになってから、すごく健康的になったんですよ。自然の中で採れるものから作れることが、今はとっても楽しいですね。

千鳥屋糸島別荘

糸島の燦々とした太陽の光をたっぷり浴びた、有機栽培・無農薬の果実たちは、家族の思い出が詰まった”宝物”の木から生まれた天然のオーガニック素材。

羽田 糸島の魅力ってどういうところですか?

原田 景色が良いところですね。あとは、なんていっても食べ物が美味しい!糸島は昔から”福岡の台所”って言われてるんです。海があって、山があって、気候が暖かいですね。

千鳥屋糸島別荘

羽田 お家の裏山に無農薬の甘夏やレモンの木があるなんて、素敵ですよね。あの木たちは何年くらいあるんですか?

原田 昭和35年頃なので、60年くらいの樹齢ですね。義母がこの家を建てた時に、甘夏やレモン、晩白柚、はっさくなどの柑橘類の木を沢山植えたそうです。ここの敷地内では井戸水を使っているから、農薬は使わずに自然のまま育てられてきました。

羽田 そんなに長いんですね! 無農薬っていうのも魅力的です。

千鳥屋糸島別荘
千鳥屋糸島別荘

羽田 本当ですね!これこそ正しく天然のアロマですね!

原田 毎年、季節の便りの代わりに、このレモンや甘夏を親戚に送っていたんです。そうすると、皆が喜んでくれて。だから、私達一家の思い出がとっても詰まっているんですよ。

羽田 すごく立派な木ですけど、お手入れは大変じゃないですか?

原田 気になったら手を入れるくらいで、基本的には自然に任せています。だから、大きくなりすぎちゃって!落ち葉を集めて堆肥にして、また戻して…いわゆる有機栽培をしています。

羽田 正真正銘の天然のオーガニックですね!化学的な添加物が一切入っていないんですね。

千鳥屋糸島別荘

原田 主人は元々お菓子に関わる仕事をしていたので、毎回マーマレードやジャムが出来上がると、味見をしてもらって、アドバイスをもらってるんです。

羽田 おじちゃまはご自分でコーヒーを焙煎されていたり、拘りが強く、かなりの食通でいらっしゃるから、一番厳しい目線ですよね。

原田 みなさんの感想を伺うと「甘すぎないのが良い」とおっしゃって下さる方が多いんですよ。果汁だけを使って、水を一滴も入れないっていうのが傷まない秘訣なんです。皮ごと炊き込んで、ペクチン(凝固剤)の代わりにレモン汁と種を使っています。

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羽田 果汁だけで!オール無添加だからこそ、安心して頂けるんですね。一番大変な作業って、どこの部分ですか?

原田 皮の内側についている果実をスプーンで全部取った後に、口触りが良いように皮を薄く刻むんです。機械ではなく全部手作業でやっているので、結構手間がかかりますね。

羽田 全部手作業なんですね。私だったら、1個で嫌になっちゃうかも…!

原田 そうですね。最初は腱鞘炎になるほど大変で、1回作るとヘトヘトになるくらいでした(笑)!でもそれをやらないと、ボソボソしたところが残ってしまって、歯ざわりが良くないんです。だんだん慣れてきて、最近は楽しみながらやっていますけどね。

羽田 わぁ、それは大変そうです。そうやって手間暇かけて、1回でどれくらいのマーマレードが作れるんですか?

原田 結構作れるかなって思ってたんですけど、意外とそうでもなくて。大鍋で作って、大瓶で25~30本くらいですかね。どうしても時間がかかるので、身内やお友達はじーっと出来上がりの順番を待ってるんですよ(笑)。

羽田 あっという間に1瓶食べきっちゃうから、待ってでも欲しくなる気持ち分かります!添加物が入っていない分、その季節にしか食べられないというのも贅沢なことですし、また来年のその季節が楽しみになりますね。

原田 私も一人でこんなことをやっていたら体が疲れちゃうけど、小学校の時からの70年来のお友達が手伝いに来てくれるんです。やっぱり口に入れるものだから、衛生面や異物の混入には気を使っていますけど、手で刻む温かみっていうのは機械では出来ないんです。

羽田 それは素敵です!手作りの良さって、人の”気”が入ることだと思うんです。このマーマレードは、大地の栄養と太陽の恵みで育った果実と、おばちゃまが大切にしている優しさや温かみが詰まっている。だからこんなに美味しいんですね。

千鳥屋糸島別荘

これはもうジャムじゃない!?宝石のようにキラキラ輝く『糸島ジュエル』と命名!

羽田 私は毎朝、ヨーグルトに入れて食べています。あとは、クラッカーにマスカルポーネチーズと一緒にのせるだけで、チーズケーキみたいになって。コーヒーや紅茶のお供、ちょっとしたデザートにピッタリなんです。

原田 お湯で割ってホットレモネードにしたり、寒い時には生姜をすって入れるのもオススメですよ。夏には炭酸で割って飲んだり。あとはお肉とも相性がいいので、娘はカレーに入れたりもしています。

羽田 それもいいですね!このマーマレードは、すごくフレッシュ感があって、爽やか。サラッとしていて、良い意味で”ジャム”って感じがしないですよね。プルプルっと柔らかい食感がたまらなく可愛くて!この美味しさを表現するのに、何か良い名前はないかなって思ってるんです。

千鳥屋糸島別荘

羽田 「宝石のように澄んだ」って素敵な言葉ですね!宝石のようにキラキラと輝くこの商品にピッタリです。この言葉をお借りして…そうだ!『糸島ジュエル』って名前はどうですか?

原田 『糸島ジュエル』!いい名前ですね。義母が裏山に残してくれた”宝物”の果実から作られているっていう意味もこめて。素敵な名前をありがとうございます!

※この対談は、2月下旬に行われたもので、3月末にワールドオリジナルマーマレードアワード2019でブロンズ賞を受賞されました。

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